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2023.03.06

口腔がん

さて、みなさんは口腔がんをご存知でしょうか。
お口の中にできるがんは全てのがんのうち約2%を占め、私の勤務する口腔外科でも疑い例を含めたくさんの方が来院されています。

基本的には手術、化学療法、放射線療法を組み合わせた集学的治療をおこないますが、手術により顔面、発声、食事といったその方のアイデンティティーの大部分を占める部位を変形、変化させてしまうため、非常に恐ろしい病気です。
また再発率も高く、残念ながら亡くなる方も多いです。

しかしこの病気を一定数予防するワクチンがあるとご存知の方は歯科医療従事者を含め、ほとんどいないのではないでしょうか。

「子宮頸がんワクチン」をご存知でしょうか。

子宮頸がんの95%以上は、ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因です。子宮頸部に感染するHPVの感染経路は、性的接触と考えられます。HPVはごくありふれたウイルスで、性交渉の経験がある女性のうち50%~80%は、HPVに感染していると推計されています。性交渉を経験する年頃になれば、男女を問わず、多くの人々がHPVに感染します。そして、そのうち一部の女性が将来高度前がん病変や子宮頸がんを発症することになります。

HPV感染症を防ぐワクチン(子宮頸がんワクチン)は、小学校6年~高校1年相当の女子を対象に、公費による定期接種が行われています。

じつは口腔がんのうち、舌癌、歯肉癌、口底癌は約1-4割がHPV感染が原因ではないかと考えられています。
以前は喫煙やアルコールによる化学刺激や機械刺激が原因とされていました。もちろん原因であることは変わりないですが、それとは別の第三の原因として、HPV感染があり、しかもHPVを原因とする口腔がんは増加傾向にあります。(重石、他 口腔衛生学誌,2017)

近年産婦人科が総力を上げて子宮頸がんワクチンの啓蒙に取り組んでいます。我々歯科医療従事者も今こそ声を上げる必要があると思ってます。

当院には口腔外科認定医が在籍し、必要な場合は高次医療機関と連携体制が整っておりますので、ぜひご相談ください。

また口腔がん検診も積極的に行っております!口内炎がなおりにくい、べろがいたい等ぜひご相談ください!

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